君に捧げる鎮魂歌~レクイエム~[第1曲]交通事故 製作者 零刻あの日、僕は歩いていたんだ。いつもの 道をいつもの通り・・・ 横断歩道を 歩く時だった。トラックがこちらに向かって 走ってくる。大きな音をたてて。 ドカッッ 僕は宙を舞う。 ドサッッ 熱いコンクリートに叩きつけられる。 僕はその時感触が無かった。 目の前に倒れる僕。あれ?僕は何故 ここにいるのだろう。そう…魂が完全に 抜けてしまっていた… 僕は一体誰だ… [第2曲] 夢 製作者零刻 僕は一瞬戸惑った。僕は一体誰だろう。 魂の無き抜け殻をただ呆然と見ていた。 目の前を沢山の人が集まる。救急車が 来た。中の人が忙しそうに動いている… 僕は一瞬思い出した。あの日の夢を… 友達がもがき苦しみ、死んでいく夢を… 僕の体が運ばれていく…僕の体はどこへ 行くのだろう。病院についた。僕は 救急車にずっと乗っていたが皆見えない のだろうか? 皆ただ急いでいた… [第3曲] 病院 製作者 零刻 僕は救急車の動くまま病院へついた。 病院には両親や友達が待っていた。 僕の声にも反応してくれない人達… 魂の抜けた抜け殻をただ蘇らそうとして 忙しそうに動いている。直りはしないさ。 魂はここにいるのだから。皆悲しんでいる 泣く者もいた。しかし今の僕には感情と いう物がない。ただ呆然と見ていること しか出来ない。人には感情がある… 感情は素晴らしい… しかし僕には無い [第4曲] 病室 製作者 零刻 僕はしばらく悲しい気持ちになった。 だけど泣けない。悲しいのに泣けない。 なんて辛いんだろう。この感情、この鼓動 までもを失ってしまったなんて… もう一度戻りたい。病室にいる魂の 無き抜け殻に入りたい。皆と喋りたい。 皆と分かち合いたい。だけど…だけど… 僕はしばらく病室で立ったまま、じっと していた…トラックの運転手が憎いよ… 何で僕だけがこんな事に…なったんだ… [第5曲] 死神 製作者 零刻 僕は病室を後にした。散歩に出かけた。 人があふれる町。皆僕には気づかない… 何をしたって気づかない。何も触れる事も 出来ない。すり抜けて行く人達。 するとそこへ女の子がいた。しかし普通の 女の子ではなかった。そう手に鎌を持った 死神と呼ばれし者だった… 可愛らしい 女の子には合わない物だった。彼女は 僕に近づいてそっと僕にいったんだ… 「蘇りたい?殺した人が憎い?」ってね。 [第6曲] 鎌 製作者 零刻 「あなた蘇りたいんでしょ。憎いんでしょ」 確かにそうだ…だけど何なんだ?この 殺気?いや言葉だけでは表せない… 「良い方法があるわ」そういうと彼女は 持っていた袋から鎌を取り出した。 「これで憎い相手を切り刻むの」 何ていう言葉だ…可愛い顔とは裏腹に 彼女はこう言った。さらに彼女は鎌で 切り刻むと現実で切れる、と付け加えた 鎌を手にすると何故か殺意が沸いてきた [第7曲] 殺人 製作者 零刻 「ターゲットはこのトラック運転手ね」 小さな声で彼女は言った。僕は心の 奥底から湧き上がる殺意と憎悪を 必死に抑えていた「あなた切らないの?」 彼女が問いかける。僕は何も出来ない。 「あなたがやらないなら私がやるわ」その 言葉に僕はハっとした。彼女は運転手の 所へ向かって走った。何故か僕も走った 彼女が切りかかる。「やめてくれぇ」ズバッ 僕は運転手をかばい彼女に切られた。 [第8曲] 黒穴 製作者 零刻 「あなた何でかばうの!?」 「君にこんな事をして欲しくは 無かったから…」すぅぅっと僕の身体に 黒い大きな切り傷の穴が出来た… 「あなた!何考えてるの!あなた みたいな体の無き魂が切られたら…」 彼女の言葉はこれで途切れた。 そして彼女は「さようなら」と言った。 僕の黒い穴から何かが出て来た。そして 僕の身体が何故か崩れて…倒れて… [第9曲] 直せぬ傷 製作者 零刻 目をあけるとそこは小さな小屋にいた。 大丈夫?と彼女が問いかける。 「僕は、僕はどうなったんだ?」 どうやら彼女が仮の魂を入れてくれた らしいそれで僕は助かったようだ。 彼女はうつむいていた。 僕はどうしたの?と聞くと彼女は、 「あなたの今の魂は他の人の魂なの、 だからあなたはその魂じゃ合わないの だから…だから…だから…駄目なの…」 [第10曲] 砂時計 製作者 零刻 「だからあなたはあと一週間しか 生きれないの。あなたはずっと 気を失ってたわ。その間に5日間 立ってしまったの。あなたとはあと2日 あと2日しか生きられないの!」 衝撃的な告白を受けた僕は、 しばらく半信半疑だった。僕は 「どこか人の居ない所へいこう。 君にまだ伝えてないことがあるんだ…」 と言って彼女を連れて行った…… [第11曲] 最後の一日 製作者 零刻 彼女を海に連れて行っただけで1日 過ぎてしまった。今日が最後の日だ。 ザザーンと海の音が鳴り響く。僕は彼女に 「前僕、あの運転手をかばったよね。 それは実は運転手を守りたいから じゃないんだ…君に…君にあんな事を して欲しく無かったんだ… 君に伝えたかった事…それは… 僕は…君の事が…好きなんだ… 好きだったからこそ君にして欲しくは…」 [第12曲] 君と僕 製作者 零刻 そこまで言うと彼女は泣いた…そして… 「有り難う。私もあなたの事、好きよ… だから私、今あなたを守る…」 そういうと彼女は光になった… そして彼女は「さようなら」と最後にこう つぶやいてその光は僕の身体の中へと 入っていった。僕は光で包まれた。僕は 目の前が真っ白になった。目を開くと そこはベッドの中…親達や友達が目の 前にいた。鎌は綺麗な貝殻になっていた ジャンル別一覧
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